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3時間44分46秒 − 完走 7/20

夢が目標に変わり、現実になる。

理屈は抜きにして、トライアスロンに挑戦をして本当に良かった。夢が目標に変わり、ひとつ実現することができた。

本格的な練習を始めて7週間。この記録は決して早くないし順位も限りなく最後尾に近かったが、途中一度も止まらずに自力でゴール出来た結果に満足している。

Priceless (プライスレス) - 決して金では買えない時間と体験。今後の原点になるであろう今回の記録は、初マラソン7時間30分に続く、一生の宝物でもある。  

また、トライアスロン人生のスタートを、ここ山形・温海の大会から始められたことに感謝をしている。
沿道から声援を送り続けてくださった地元市民の方々は皆笑顔で、最後の選手が通り抜けるまで暖かく見守ってくれた。 

まごころの大会。

第23回温海トライアスロン大会。

山間に長閑な田園風景が広がる10キロの山道を2往復する、40キロのバイク・コース。スイムで、集団のシンガリを務めた私は、バイクで3人の選手に追いついた。2往復目の下り、32〜33キロを過ぎた辺りだったと思うが、ある集落を通過したときに聞こえてきた地元のおばちゃんの声援が心に沁みた。

「また帰って来いよ〜」

時速40キロくらいのスピードが出ていたため、振り返ることはできなかったが、おばちゃんの「思い」は選手の心に届いた。このおばちゃんの目の前をトライアスリートたちが通り抜けることは、来年の大会までない。 

ふと、今は亡き父親のことが思い浮かんだ。 
15年前の今頃、車椅子に乗っていた自分の将来を誰よりも心配してくれていた父に、トライアスロンの大会に出て1時間近くも海を泳ぎ、山の中をバイクで自走している姿を見て欲しいと思った。

と同時に、こうして自分の全身を使ってチャレンジすることが出来る今の境遇に感謝の念でいっぱいになる。サングラス越しに視界がぼやけて風景が歪んで見える。下り坂でペダルを踏み込む足に力が入る。「来年も必ず来よう」と心に決めた。

さっきのおばちゃんたちの前を先頭集団が最後に走り抜けていってから、すでに1時間以上が経過しているはず。私も含めた最後尾の選手が全て通り過ぎるまで声援を送り続けてくれる。ありがたい。

あとで大会の役員の方から聞いた話だが、第1回大会が始まった23年前、大会宣伝用のポスターなどの印刷を2ヶ月間にわたって準備した場所が、この集落だったらしい。以来23年間も毎年この風景を見続けたきたおばちゃん、おばあちゃんたち。毎年この大会に参加する選手の姿を楽しみに待っていてくれる。

温海の大会を心待ちにしているのは、地元の方たちだけではない。選手も然り。

生きた化石

宿で朝食を一緒に取った K さんは、宮城「セントラ」(仙台トライアスロンクラブ)の出身。普段は大会の審判員なども務めるベテランらしい。

私は、「初トライアスロン、初アツミなんですが、何回目の参加ですか?」と、ありきたりの質問をしてみた。

「23回目」

「え゛、それって1回目からずーっと連続出場って言うことですか?!」と、思わずアホなことを質問してしまった。

聞けば、190人ほどの今大会参加者の中に、なんと連続23回出場者が2名いるとのこと。正直、度肝を抜かれた。目の前で普通に納豆ゴハンを食べている K さんはその一人。生きた化石を見ているような心境になった。

そこまで人を惹きつける魅力とエネルギーが、この大会にはあるということを後ほど私も知ることになる。

100歳まで。

今回の参加選手中最高齢(72歳)の I さんが、表彰式の最後に選手を代表して「感謝の挨拶」を述べられた。

  「こんなに素晴らしい大会は世界中を探しても他にない」

  「私は100歳まで温海の大会に参加する」


過去、射撃の代表選手として国体などでメダルを取られ、72歳になった現在も体調管理をしながら世界中の大会に参加されているという方が熱く語る重みのある言葉に心から拍手。
大会運営に携わって来られた多くの方々にとっても、最高の「謝意」だったのではないだろうか。 I さんの存在は、我々選手にも勇気を与えてくれた。

ちなみに私が100歳まで参加するとしたら・・・と考えてみた。まだあと64年ある。そのとき温海トライアスロン第87回大会。まずは、 I さんが100歳になって参加するまでの今後28回の大会に参加することを目標にしたい。

人の温もり。

選手・運営役員・地元住民が一体感を共有しながら過ごすことができ、素朴でありながらも真心とエネルギーが満ち溢れた素晴らしい大会だった。人との出会いが次の出会いにつながり、次から次へと人の輪が大きくなっていく。

表彰式の後の「反省会」。
この役員、選手が混ざっての打ち上げは、酒を飲みながらお互いの健闘を称え合う大宴会。
私もショップの関係で知り合った方たちと「反省会」を楽しんだ。逗子から16年参加している I さんたち、チーム「マーベラス」の方々。大会ベストカップル賞を受賞した I さんご夫婦。

海に沈み始める夕日を見ながら、次の集まりへ移動。元あつみ町長で、平成の市町村合併後から鶴岡市の副市長を務める S さんが、ご自宅に招待してくださり2次会が始まる。
地元のお酒や、野菜を使った美味しい手作り料理を囲んで、毎年常連の方々と親睦を深めることができた。

北京オリンピック・トライアスロン日本代表、田山寛豪さんの後援会・役員を務める、茨城から参加の S さんはムードメーカー。笑顔が絶えず、ユーモアたっぷりの69歳。いつも周りに笑い声が絶えない。

埼玉県朝霞市から毎年参加されている、Y さん、H さん御一行は、この大会を通じて親交を持った地域の方々に対する御礼として、修学旅行で毎年東京に来る「あつみ中学校」の生徒さんたちを迎えている。あつみ中学の生徒さんたちが、東京板橋の商店街で太鼓の演奏をする際のサポートを行なっているとのこと。来年は、私もその場所に顔を出してみたいと思った。

第1回大会の準備から、元あつみ町長の S さんと二人三脚でこの大会を作ってこられた役場職員の H さんからは、大会の「歴史」を共有させていただいただけではなく、独身の私に対する人生(結婚)のアドバイスまで頂戴した。東京生まれで、夏休みに帰省する先(いわゆる「田舎」)がないという私に、自分の「田舎」だと思っていつでも来い、と言ってくださった。 真心のひと言がありがたい。

こうして副市長のお宅を失礼し、次に向かったのは3次会。
関東地域を中心に練習を行なっているトライアスロンチーム(STONE KIDS)の皆さんと共に、初日に訪れた寿司の朝日屋に立ち寄って夜が更けるまで語り合う。

贅沢な時間。 

ここに集う人たちの間には、立場とか肩書き、レースの実績などは無関係。ただ、人と人がつながっている。走る人も走らない人も、年に一度のトライアスロンをきっかけにして人生を楽しむだけ。

こうした人たちと出会えたこと、この人たちの輪の中に自分が溶け込むことが出来たこと、得たものは大きかった。来年もまた同じ顔ぶれに会えることを思うと、ワクワクする。

ありがとう、温海。

2008/7/20 @ 山形・鼠ヶ関にて




テーマ : ブログ日記 - ジャンル : ブログ

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コメント

TAKAだん、本当にきれいな海。
今から仕事なので、また明日の朝でも、じっくり
文章を拝見します。

教えてくださってありがとう。 

TAKAさん、(前回のコメント、急いでいたせいかTAKAだんになっていました。ごめんなさい)
色んな人との出会い、色んな体験、素晴らしいですね。

何だか私まで嬉しくなりました。ありがとうございます。

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